健康志向の和食:バランスの取れた食事法

近年、健康志向が高まる中、多くの人々が食生活を見直しています。特に和食は、栄養バランスが優れているため、世界的にも注目を集めています。
このコラムでは、健康志向の和食がどのようにバランスの取れた食事法を実現できるかについて、以下の四つのポイントに分けて考えてみましょう。
日本の伝統的な食材の魅力
和食の基本は、季節の食材を活かした料理にあります。米、魚、野菜、大豆製品、海藻など、多様な食材がバランスよく使用されます。
特に、魚は良質なタンパク源であり、必須脂肪酸のDHAやEPAが豊富です。また、大豆製品は植物性タンパク質の宝庫で、心臓病予防や骨粗しょう症のリスク低下にも寄与します。
さらに、海藻はミネラルやビタミンが豊富で、免疫力向上にも役立ちます。これらの食材を日々の食事に取り入れることで、健康的なライフスタイルの基盤を築くことができるのです。
食事のスタイルと食文化

和食は「一汁三菜」を基本とするスタイルが特徴で、主食、主菜、副菜がバランス良く組み合わさっています。
このスタイルは、食べる量を調整しやすく、過食を防ぐ助けになります。それぞれの構成要素について詳しく見てみましょう。
主食
和食における主食は、一般的にご飯が中心です。米は日本の気候や風土に適した作物で、食文化の根幹を成しています。特に、新米の季節には豊かな風味が楽しめるため、シンプルに炊き立てのご飯を味わうことが重要です。
また、主食は母体となるエネルギー源であり、他の食材との相性を考えながら様々な料理と組み合わせられます。加えて、蕎麦やうどんなどの麺類も主食として用いられることがあります。
主菜
主菜には魚や肉を使った料理が多く見られます。例えば、焼き魚、煮物、揚げ物などがあり、それぞれの食材の持つ旨味を引き出す調理法が工夫されています。
特に、魚は新鮮さが求められるため、地域の漁港から直送されるものを使用することが多いです。主菜は、主食であるご飯や麺との相性を考慮し、味付けや調理法を選ぶことで、全体のハーモニーを生み出す役割も果たしています。
副菜
副菜は、主菜に対して多様性を持たせ、栄養バランスを整える役割があります。漬物、サラダ、煮物、和え物などが含まれます。季節の野菜を利用することで、色彩や風味の変化を楽しめるほか、健康面でも必要なビタミンやミネラルを補給できます。
また、色々な食材を組み合わせることで、一つの食卓が華やかになり、視覚的にも楽しめる工夫がなされています。
このように、和食は単に食べるだけでなく、視覚や嗅覚、味覚など五感を楽しませる工夫がされており、器の選び方や盛り付け方も食事を豊かにする要素です。
食材の組み合わせや調理法、盛り付けを通じて、和食は食文化としての深い楽しみ方を提案しています。
健康面への効果

和食は、健康維持においてもさまざまな効果があります。研究によると、日本食を中心とした食事を取ることで、肥満や生活習慣病のリスクが低下するとされています。
特に、野菜や発酵食品を多く摂ることは腸内環境を整え、免疫力の強化や肌の健康にも寄与します。
また、塩分控えめな和食は、高血圧の予防にも効果的です。食材の持つ天然の風味を活かす調理法が中心であるため、余計な調味料に頼る必要もありません。
まとめ
和食は、健康だけでなく、文化的な側面や環境問題に対しても大きな意味を持つ食生活の一つです。バランス良く多様な食材を活用することで、私たちの体と心を健やかに保つ力を発揮してくれます。
ぜひ、日々の食卓に和食を取り入れて、健康的なライフスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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Kanae 栄養士/ヨガインストラクター
武庫川女子大学短期大学部食生活学科・栄養士課程を修了後、栄養士として企業に就職。アレルギーや添加物について学びを深め、現在は運動施設での個別カウンセリングなど、食と運動の大切さを伝える活動を行っている。
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「まごわやさしい」という言葉、ご存知でしょうか?和の食材の頭文字を覚えやすく語呂合わせにした合言葉です。例えば「ま」は、豆類。大豆や味噌のこと。
炊き立て白米に、あったかい味噌汁を口にした、あのなんとも言えない安心感を感じられる方が多いのではないでしょうか?
和食は子子孫孫と受け継いでいきたい、日本の大切な食。心がホッと優しくなれる魔法のパワーが秘められてると私は感じます。
普段取り入れるのが難しい方は、外食などで選んでみてくださいね。