和漢養生「肩こり・首こり」

目次
東洋医学で考える「肩こり・首こり」の原因
東洋医学では、体の中を「気(エネルギー)」「血(血液や栄養)」「水(体の水分)」がスムーズに流れていることが健康の基本と考えます。
肩こり・首こりは、これらの流れが滞ることで起こる不調のひとつです。
具体的には、
- 気や血の流れが滞る(例えば、ストレスや運動不足、長時間同じ姿勢などで血行が悪くなる)
- 冷えや疲れで体が固まる
- 体のバランスが崩れる
ことが主な原因とされています。
対処療法
1.経穴指圧(ツボ押し)
体には「ツボ」と呼ばれるポイントがあり、そこを押したり揉んだりすると、気や血の流れが良くなりやすいです。
肩こり・首こりに効果的なツボをいくつか紹介します。
- 肩井(けんせい)
肩の一番高いところにあり、親指でゆっくり押すと楽になります。 - 風池(ふうち)
首の後ろの付け根、頭のすぐ下のくぼみ。首が固まった時に効果的。 - 合谷(ごうこく)
手の甲、親指と人差し指の間にあるツボ。全身の血行を促進し、肩こりも和らぎます。
やり方は、指の腹で「痛気持ちいい」くらいの力加減で、ゆっくり3秒ほど押して離すのを繰り返すと良いです。
2.生活養生(生活習慣の改善)
- 姿勢を正す
長時間同じ姿勢を続けないように、時々肩を回したり首をゆっくり動かしたりしましょう。 - 適度な運動
ウォーキングや軽い体操で血行を良くします。 - 入浴で温める
お風呂でしっかり体を温めると、筋肉がほぐれやすくなります。 - 睡眠をしっかりとる
体の修復時間なので質の良い睡眠を心がけましょう。
3.食養生(食べ物で体を整える)
- 温かい食べ物や飲み物をとる
冷たいものは血行を悪くすることがあるので、温かいお茶やスープがオススメ。 - 血を作る栄養をとる
鉄分やビタミンB群が多い食品(ほうれん草、レバー、豆類、卵など)が良いです。 - 体を冷やさない食材を選ぶ
ショウガやシナモンなどの体を温めるスパイスを取り入れると効果的。
4.セルフケア
- 深呼吸
ゆっくり深く呼吸することでリラックスし、肩の緊張もほぐれます。 - 簡単なストレッチ
首や肩をゆっくり左右に倒したり回したりする動きで筋肉をほぐしましょう。 - 肩の温湿布
ホットタオルや使い捨てカイロを使って温めると、血流がよくなりコリが和らぎます。

まとめ
東洋医学では「肩こり・首こり」は体の中の気や血の流れが悪くなることで起こると考えています。
ツボ押しや体を温めること、生活習慣や食事の見直しで少しずつ改善できます。無理せず、毎日少しずつ続けるのがポイントです。
Advisor Comment

角 麻衣(すみまい) 鍼灸師・イヤービューティセラピスト協会 上級セラピスト兼講師・不妊カウンセリング学会所属
フィットネスクラブ社員として11年勤務後、鍼灸師の資格取得し転身。広尾の治療院で美容鍼灸や全身治療の施術経験。
業界No.1の鍼灸接骨院での勤務経験を通じて全身治療とトレーニングやストレッチなどのセルフケアのアドバイスも行う。
特に女性の不調に関する治療を得意とし、幅広く治療を行っている。
首、肩凝りで悩む方は多くいらっしゃいます。
特にデスクワークやスマホの利用により長時間同じ姿勢でいると頭の重さを支える首や肩に負担がかかる上、体内の気や血の流れが悪くなり首や肩の凝りを引き起こします。
特に夏は冷房により体が冷えやすいので、日々のケアや養生によって体を温めることを意識してみると良いです。