和漢養生「胃腸の不調」

目次
東洋医学で考える「胃腸の不調」の原因
東洋医学では、胃腸は「消化吸収の働きをつかさどる大切な場所」と考えられています。
胃腸の調子が悪くなるのは、体の「気(エネルギー)」や「血(栄養)」の流れが滞ったり、体のバランスが崩れることで消化の力が弱まるからです。
よくある原因は、
- 食べ過ぎや消化に悪いものを摂ること
- ストレスや疲れによる体の緊張
- 冷えや体の弱りによる胃腸の働き低下
- 生活習慣の乱れ
などが考えられます。
対処療法
1.経穴指圧(ツボ押し)
胃腸の調子を整えるツボを紹介します。
- 中脘(ちゅうかん)
おへそと胸の間、真ん中あたり。消化を助け、胃もたれや胃の不快感に効果的。 - 足三里(あしさんり)
膝の下、外側に指4本分くらい下のところ。胃腸全体の働きを良くし、便秘や下痢にも対応。 - 天枢(てんすう)
おへその左右に指3本分くらい外側の場所。お腹の調子を整え便通を助けます。
押すときは、指の腹で軽く押し、痛気持ちいいくらいの強さでゆっくり数秒押して離すを繰り返します。
2.生活養生(生活習慣の改善)
- よく噛んでゆっくり食べる
消化を助けるために、食事は焦らずゆっくりとることが大切です。 - 規則正しい食事時間を守る
決まった時間に食べることで胃腸のリズムを整えます。 - 冷たい飲食を控える
胃腸を冷やすと働きが弱まるため、温かい飲み物や料理がおすすめ。 - 適度な運動をする
体を動かすことで胃腸の動きも活発になります。 - ストレスをためない
リラックスする時間を作り、精神的な緊張を緩めましょう。
3.食養生(食事で体を整える)
- 消化に良い温かい食事を中心に
おかゆ、野菜スープ、根菜類など胃腸に負担が少ないもの。 - 胃腸を助ける食材をとる
ショウガやネギ、山芋、かぼちゃなど体を温め消化を促す食材。 - 繊維質は適量を心がける
便秘には食物繊維が必要ですが、摂り過ぎは逆に負担になることもあるので注意。 - 水分をしっかりとる
特に便秘の場合は水分不足になりやすいので、こまめに飲みましょう。
4.セルフケア
- お腹のマッサージ
手のひらでおへそを中心にゆっくり時計回りにさすると胃腸の動きが良くなります。 - 温かいタオルやカイロでお腹を温める
冷えが原因の不調に効果的です。 - 腹式呼吸を取り入れる
お腹を膨らませながらゆっくり呼吸し、リラックスを促します。

まとめ
東洋医学では、胃腸の不調は「気や血の流れの滞り」「冷え」「生活習慣の乱れ」などが原因と考えています。
ツボ押しや食事の工夫、生活習慣の見直しで胃腸を元気にしていけます。
無理せず少しずつ続けてみてくださいね。