和漢養生「月経痛・PMS」

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東洋医学で考える「月経痛・PMS」の原因

東洋医学では、生理は体のリズムとバランスが深く関係していると考えます。

月経痛やPMSは、体の中の「気(エネルギー)」や「血(血液や栄養)」の流れが滞ったり、冷えやストレスでバランスが乱れることが主な原因です。

具体的には、

  • 血や気の流れが悪くなっている(停滞)ため痛みが出る
  • 体が冷えて子宮や骨盤周りの血行が悪くなる
  • ストレスで体の緊張が強くなりホルモンのバランスが乱れる
  • 体のエネルギーが不足して疲れやすい

などが関係しています。


対処療法

1.経穴指圧(ツボ押し)

 月経痛やPMSの症状を和らげる代表的なツボを紹介します。

  • 血海(けっかい)
     太ももの内側、膝の上あたり。血の流れを良くし、痛みをやわらげます。
  • 三陰交(さんいんこう)
     足の内側、くるぶしから指4本分くらい上。女性の体調全般を整える重要なツボ。
  • 関元(かんげん)
     おへそから指3本分下の場所。体を温めて元気を補います。
  • 太衝(たいしょう)
     足の甲、親指と人差し指の間の少しくぼんだ所。ストレスやイライラの緩和に。

押し方は、指の腹でゆっくり3秒くらい押して離すのを数回繰り返します。痛すぎない程度に。


2.生活養生(生活習慣の改善)

  • 体を冷やさない
     特にお腹や腰まわりを温かく保つことが大切。冷たい飲食は控えましょう。
  • 適度な運動をする
     ウォーキングやストレッチで血の巡りを促進。
  • ストレスケアを心がける
     リラックスできる時間を作る、深呼吸や瞑想も効果的。
  • 規則正しい生活
     睡眠をしっかりとり、体のリズムを整えましょう。

3.食養生(食事で体を整える)

  • 温かく栄養豊富な食事を心がける
     生姜、黒ゴマ、ナッツ、根菜類(にんじんや大根など)は血を補い温めます。
  • 脂っこいものや冷たい飲み物は控える
     体が冷えたり血の巡りを悪くすることがあるため。
  • ビタミンやミネラルをしっかりとる
     特にビタミンB群やマグネシウムはPMSのイライラや疲れに良いです。

4.セルフケア

  • お腹や腰を優しく温める
     湯たんぽや温かいタオルでじんわり温めましょう。
  • 軽いストレッチや深呼吸
     体の緊張をほぐしてリラックスを促します。
  • 規則的な入浴
     ぬるめのお湯にゆっくりつかることで血行促進とリラックスに効果的。

まとめ

東洋医学では、月経痛やPMSは「気や血の滞り」「冷え」「ストレス」が原因で起こると考えています。

ツボ押しや温めること、生活習慣の見直しや食事の工夫で体のバランスを整え、症状を和らげることができます。

Advisor Comment

角 麻衣(すみまい) 鍼灸師・イヤービューティセラピスト協会 上級セラピスト兼講師・不妊カウンセリング学会所属

フィットネスクラブ社員として11年勤務後、鍼灸師の資格取得し転身。広尾の治療院で美容鍼灸や全身治療の施術経験。

業界No.1の鍼灸接骨院での勤務経験を通じて全身治療とトレーニングやストレッチなどのセルフケアのアドバイスも行う。

特に女性の不調に関する治療を得意とし、幅広く治療を行っている。


体内の気や血の滞りが痛みを引き起こす原因となります。特に女性は男性に比べて筋肉量が少ないのでどうしても冷えやすい体質です。

冷たいものを控えて、体を温めるものを取り入れることによって少しずつ月経痛やPMSが改善されます。月経痛のように痛みのある状態は体の状態としては良くないことですので、痛みを当たり前と捉えずに改善できるようにしていきましょう。

特に将来妊娠を希望している方は、早いうちから月経痛やPMSを改善することが大切です。

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