和漢養生「冷え性」

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東洋医学で考える「冷え性」の原因

東洋医学では、体の中の「気(エネルギー)」や「血(血液や栄養)」の流れが滞ったり不足したりすることで、体が十分に温まらず「冷え」が起こると考えます。

特に手足や下半身が冷えるのは、血や気の巡りが悪いことが大きな原因です。

主な原因は、

  • 体の中のエネルギーや血が不足している
  • 血の流れが悪くなっている(滞り)
  • 体が冷えて血管が縮む
  • 生活習慣や食生活の乱れ、ストレス

などがあります。


対処療法

1.経穴指圧(ツボ押し)

 冷えに効くツボをいくつか紹介します。

  • 足三里(あしさんり)
     膝の下、外側に指4本分くらい下。体全体の元気をアップし、血の巡りを良くします。
  • 三陰交(さんいんこう)
     足の内側、くるぶしから指4本分くらい上。女性の冷えや体調を整える重要なツボ。
  • 太谿(たいけい)
     内くるぶしのすぐ後ろ、くぼんだ所。血流を促して手足の冷えを改善します。
  • 関元(かんげん)
     おへそから指3本分下。体を内側から温める効果があります。

押すときは指の腹で痛気持ちいい程度にゆっくり数秒押して離すを繰り返してください。


2.生活養生(生活習慣の改善)

  • 体を冷やさない
     特に手足や腰、お腹を温かく保ちましょう。靴下の重ね履きや腹巻きも効果的。
  • 適度に体を動かす
     ウォーキングや軽いストレッチで血流を良くします。
  • 入浴はぬるめのお湯でゆっくりと
     湯船に浸かり体を芯から温めましょう。
  • 睡眠をしっかりとる
     体の回復と温まりやすさに大切です。

3.食養生(食事で体を整える)

  • 体を温める食材を積極的にとる
     生姜、にんにく、ネギ、シナモン、根菜類(にんじん、かぼちゃなど)が効果的。
  • 冷たい飲食や生ものを控える
     体を冷やさないように気をつけましょう。
  • バランスの良い食事を心がける
     タンパク質やビタミン、ミネラルも不足しないように。

4.セルフケア

  • 足湯をする
     ぬるめのお湯に足をつけてじんわり温めると全身が温まります。
  • お腹や腰を温める
     カイロや温かいタオルを使って温めるのがおすすめ。
  • 深呼吸やゆったりストレッチ
     緊張をほぐし血流を良くします。

まとめ

東洋医学では、冷え性は「体の中のエネルギーや血の不足・巡りの悪さ」が原因と考えています。

ツボ押しや温める生活習慣、食事の工夫で体を内側から温め、血の流れを良くすることが大切です。

* Expert Review Note

鈴木朝美 鍼灸マッサージ治療室ともさんち院長

慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・看護師・保健師・予防医学指導士・公衆衛生修士

看護師・保健師を経験後、鍼灸マッサージ師の資格を取得。介護業界で看護師兼鍼灸マッサージ師として従事しながら、鍼灸マッサージ治療室ともさんちを開業。

現在は千葉県初のドッグカフェ併設鍼灸マッサージ院として、人とペットの健康増進をサポートしている。

統合医療の観点から内科系疾患の治療を得意とし、個々の体質に合わせたハーブボール作成や施術を通して、日常生活に取り入れやすいホリスティックケアをアドバイスしている。


女性に多い悩みの1つが冷え性です。

特に秋冬は冷え症が悪化しやく、生理痛や自律神経の乱れ、肩こりなどの不調で悩む方が多いです。

対策には運動や食事、手足やお腹を冷やさない工夫が大切です。

血流改善のためストレッチや軽い運動を心がけ、温かい飲み物や食事を取り入れ、冷たい物は控えることを心がけてみて下さい。

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