和漢養生「むくみ」

目次
東洋医学で考える「むくみ」の原因
東洋医学では、むくみは体の中の水分のバランスが崩れたり、水分の流れが滞ることが原因と考えます。
特に、体の水分を動かす力が弱まったり、余分な水分がうまく排出されないために起こります。
主な原因は、
- 体の水分を循環させる力(体の「動かす力」)が弱い
- 疲れや冷えで血や気の流れが悪くなっている
- 塩分の摂りすぎや運動不足
- ホルモンバランスの乱れ
などが考えられます。
対処療法
1.経穴指圧(ツボ押し)
むくみ改善に役立つツボをご紹介します。
- 足三里(あしさんり)
膝の下、外側に指4本分くらい下。体の調子を整え、水分代謝を良くします。 - 三陰交(さんいんこう)
足の内側、くるぶしから指4本分上。特に女性の体調と水分バランスに効果的。 - 陰陵泉(いんりょうせん)
すねの内側、骨のふちのくぼみ。水分代謝を促し、むくみを和らげます。 - 合谷(ごうこく)
手の甲、親指と人差し指の間のくぼみ。全身の血の巡りや水分の流れを助けます。
押すときは指の腹で痛気持ちいい強さで3秒ほど押してゆっくり離すのを繰り返しましょう。
2.生活養生(生活習慣の改善)
- 適度に体を動かす
ウォーキングやストレッチで血液や水分の流れを促します。 - 長時間同じ姿勢を避ける
座りっぱなしや立ちっぱなしはむくみやすいので、時々体を動かしましょう。 - 塩分の摂り過ぎに注意
塩分が多いと水分をため込みやすくなります。 - 体を冷やさない
冷えは血流や水分代謝を悪くするので、特に足元を温めることが大切。
3.食養生(食事で体を整える)
- 水分代謝を助ける食材をとる
冬瓜、きゅうり、とうもろこし、緑豆などは体の余分な水分を出しやすくします。 - 塩分を控えめに
味付けは薄めにして、塩分過多にならないよう注意。 - 温かい飲み物や食べ物を中心に
体を冷やす冷たい飲食は控えめに。 - 利尿作用のあるハトムギ茶などの自然の飲み物もおすすめ
4.セルフケア
- 足や手のマッサージ
足首やふくらはぎを軽くさすったり、手足を優しく揉むことで血や水分の流れを良くします。 - 足湯をする
ぬるめのお湯で足を温めると全身の血流も促進され、むくみが取れやすくなります。 - 寝る時は足を少し高くする
足元にクッションなどを置いて高さを作ると、余分な水分が戻りやすくなります。

まとめ
東洋医学では、むくみは「水分の流れの滞り」や「体の中の循環力の低下」が原因と考えます。
ツボ押しや体を温めて動かすこと、塩分を控えた食事を心がけることで、体のバランスを整えむくみを改善できます。