アーユルヴェーダで整える「5月病」対策:心と体のバランスを保つ知恵

新生活が始まって1カ月。少し慣れてきたころに、ふと感じる心や体の不調。
寒暖差、気圧の変化、そしてゴールデンウィーク明けの脱力感…。
この時期によく耳にするのが「5月病」です。
やる気が出ない、眠い、なんとなく不安、だるい――。
そんな不調は、アーユルヴェーダ的に見ると心と体の“ドーシャバランス”が崩れているサインかもしれません。
今回は、5月病の原因とアーユルヴェーダの知恵、そして取り入れやすいセルフケアをご紹介します。
「5月病」とは?
5月は、4月の緊張がほぐれるタイミング。
無意識に張っていた心の糸が緩み、体と心の疲れが一気に表れます。
加えて、寒暖差や天候の不安定さで自律神経も乱れがち。
これにより、
・朝起きられない
・倦怠感や無気力
・集中できない
・不安や焦燥感
・食欲不振や眠気
といった不調が現れるのが「5月病」です。医学的な診断名ではありませんが、現代人には身近な季節性の不調と言えるでしょう。
アーユルヴェーダから見る5月のエネルギー
アーユルヴェーダでは、自然界と人の体は「ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)」のバランスで成り立っていると考えます。
5月は、水と土のエネルギー「カパ」が高まり、心身ともに重く、だるさや停滞感を感じやすい時期。
さらに月末に近づくにつれ、火と水の「ピッタ」が増えて、イライラや怒りっぽさも出やすくなります。
つまり5月は、「だるさ(カパ)」と「苛立ち(ピッタ)」が混在する、バランスの崩れやすい季節なんです。

5月病を整えるための日常習慣
まずは生活リズムを整え、心と体に「軽さ」を取り戻しましょう。
アーユルヴェーダの視点から、今すぐやできるセルフケアを5つご紹介します。
1. 朝は早めに起きて軽く動く
軽いストレッチや朝の散歩で、心身の重さをオフ。
2. 食事は温かくて軽めに
油っこいものや甘いものは控えめにし、温かく消化にやさしい食事を。
3. 睡眠の質を大切に
夜ふかしやスマホはほどほどに。
自律神経を整えるには規則正しい睡眠が大切です。
4. アロマやハーブで気分転換
ミントやラベンダー、レモングラスの香りは気分をクリアにしてくれます。
5. ヨガ・ピラティスを日常に取り入れる
呼吸に意識を向け、体をほぐすことで心もスッと整います。
朝の10分、夜のリラックスタイムなど気軽に続けられるのも魅力です。
ドーシャ別おすすめセルフケア
ヴァータ体質(風のエネルギーが強い方)
・冷えやすく不安定になりやすい傾向
→ 温かくオイル感のある食事、ゴマ油でのセルフマッサージを。
→ ぬるめのお風呂でじんわり温まる時間もおすすめです。
ピッタ体質(火のエネルギーが強い方)
・怒りっぽく、完璧主義になりやすい傾向
→ ミントティー、アロエ、コリアンダーなど冷却作用のあるものを意識して摂取しましょう。
カパ体質(水と土のエネルギーが強い方)
・だるさや眠気が出やすく、運動不足に陥りがち
→ 朝のウォーキングや太陽の光を浴びる習慣を。
→ 軽くてスパイスの効いた食事で代謝を促進させましょう。

まとめ:心と体の声に、そっと耳を澄ませて
5月の不調は、「ちょっと立ち止まって休もう」という、心と体からのメッセージかもしれません。
がんばりすぎず、少しペースを落として、自分を丁寧に扱う時間をもってみてください。
毎日の暮らしの中で、自分に合ったリズムやケア方法を見つけていくことが、
ゆらぎの季節をやさしく乗り越えるヒントになります。
深く呼吸をして、そっと体をゆるめてみるだけでも、ふっと気持ちが軽くなることもありますよ。